第5回福寿奏のつどい 3月9日(土)プログラムより(1)
- fukushima
- 2024年2月26日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年11月5日

「夕(ゆうべ)の草」
京都の萩原正吟先生の作品です。新古今和歌集より3首が歌い込こまれています。
昨日まで よそに忍びし下萩(したはぎ)の 末葉の露に 秋風ぞ吹く (藤原雅経)
藤袴 主は誰とも 白露の こぼれて匂う 野辺の秋風(公猷法師)
誰をかも まつちの山の女郎花(おみなえし) 秋と契れる 人やあるらし(小野小町)
この曲の尺八楽譜について、出版元に尋ねたり、いろいろな方に探していただいたのですが手に入りませんでした。
思い立って京都の尺八制作工房 北原精華堂さん にお電話したところ、北原篁山師が昭和26年9月6日に萩原先生と演奏された記録と演奏上のメモが手書きされた楽譜が保管されていることがわかりました。
ご子息、お孫様のご厚意により写しをお送りいただき、今回、福寿奏の会で箏、三絃、尺八の三曲合奏で演奏することにいたしました。
これまで名古屋で演奏されたことがあったかどうか、というレアな曲です。
短い曲にもかかわらず、三絃は三下がりから本調子、二上りに調絃をかえなければなりません。
しかし、古曲の手事もの形式をとりながら、ピチカートやハーモニクスも使われているきれいな曲です。今後も機会を見つけて弾いていきたい曲です。
マニアックな内容となりましたが、今後も曲について、あるいは楽器そのものについて発信していきます。
Comentários